長年ラフティングガイドとして活動していて一番多く受ける質問は、ガイドに必要な資格は何か?というもの。次に多く訊ねられるのは、川下りに許可は必要か?というもの。このページではこの二つの質問にお答えしています。
ガイドに必要な資格は何か?
ずばり、この資格がなければお客様を乗せてラフティングをしてはいけません、という運転免許のようなものはありません。これはあくまで日本でのお話で、ニュージーランドのように国家資格が必要な国もあれば、アメリカのように州ごとに規制や要件を設けている国もあり、ガイド技術だけでなく救急法の習得や水難救助訓練を義務づけている場合も多い。
ラフティングガイド資格
国際ラフティング連盟(IRF)の国際的な資格のほか、日本国内にも協会や団体がいくつかあり、会社単位で加盟していたり、個人でガイド登録していたりします。どの団体にも加盟していない会社も存在し、そのような会社に所属するガイドは無資格の場合が多いですが、会社の中で独自の基準を設け、その基準をクリアした上でガイド業に携わるのが一般的です。
会社単位で加盟する団体
国内の団体として最も歴史が長く、加盟会社数・登録ガイド数が多いのがラフティング協会であり、ニセコウッカもこの協会に加盟しています。ラフティング協会加盟会社に所属するガイドは、協会の発行するガイドライセンスの所持が義務付けられており、さらにツアーリーダーを務めるガイドは上位資格となるシニアガイド資格の所持が義務付けられています。
会社単位で加盟する団体としては、他に日本ラフティング協会等がある。
個人でガイド登録する団体
ラフティング協会では各地でガイド認定試験を開催しており、合格した者は加盟会社に所属しガイド登録することになります。ウッカガイドはラフティング協会のシニアガイド資格を有しています。
ガイド認定試験を開催している団体としては、他に日本レクリエーショナルカヌー協会や北海道体験観光推進協議会(北海道アウトドア資格制度)があり、ウッカガイドは後者の北海道知事認定ラフティングガイド資格を有しています。
ファーストエイド(救急法)資格
ラフティングは自然相手のスポーツですから、当然ケガのリスクも存在します。そのため、各団体では、ガイド資格を与える条件として、何らかのファーストエイド資格の所持を必須としてる場合がほとんどです。国内で取得できるファーストエイド資格で代表的なものとしては、赤十字の救急員養成講習や消防の上級救命講習などが挙げられます。いずれも1日で修了できる講習ですが、海外の野外救急法には終了までに数日間を要するものもあります。ウッカガイドはかつて赤十字救急法指導員資格を取得した過去がありますが、指導員として活動する時間を作ることができず、資格を流してしまいました。その後、野外救急資格であるWAFAの資格を取得したりもしましたが、こちらも更新はせず、現在は定期的に消防の上級救命講習を受講しています。
レスキュー(水難救助)資格
ラフティングは落水や転覆を前提とするスポーツですから、日頃からそういった場面を想定した救助訓練が必要なのはもちろんですが、もっと深刻な状況、例えばボートが岩に張り付いてしまった場合、落水者が岩の上に取り残されてしまった場合や倒木に引っかかってしまった場合、さらには流されているうちに意識を失ってしまった場合などを想定した訓練も積んでおかなければ、いざという時に冷静に対処することができません。こういった水難救助に関する資格として代表的なものにSRT(スイフトウォーターレスキューテクニシャン)がありますが、ラフティング協会でも定期的にレスキューワークショップを開催しています。ウッカガイドはこれまでニュージーランドラフティング協会による、より高度なレスキューワークショップを受講してきましたが、日本で受講することができなくなってしまってからは、過去に学んだ内容を模倣し独自に訓練を行なっています。
川下りに許可は必要か?
河川によっては漁協等との間の協定に基づき、独自にルールを設けている場合もありますが、特に公的機関等からの要請がない限り、川下りに許可は必要ありません。ただし、河川敷においては土地の管理者により立ち入りを制限されている場合もあるので、川へ入る際、川から出る際にはあらかじめ確認が必要です。