ニセコラフティングツアーのフィールドとなる尻別川。【しりべつ】とは、内陸深くからくる川の意で、アイヌ語*ではシリ(山) − ペッ(川)と呼びます。アイヌの人々が、山の川、と呼んだ尻別川は、千歳市と伊達市との境にあるフレ岳に源を発し、喜茂別町、京極町、倶知安町、ニセコ町と、羊蹄山を廻るように流れ、蘭越町で日本海に注ぐ全長126kmの一級河川です。
*アイヌ語に由来する山の名前や地名についてはニセコにまつわるアイヌ語にて少しだけ触れています。
水質
国土交通省では毎年7月に水質調査結果を公表しており、この結果に応じて、ある一定の基準を満たした河川が【水質が最も良好な河川】に選定されますが、尻別川は直近10年間で9度水質日本一に選ばれています。
水量
4月中旬頃に雪どけが始まると、川は徐々に水量を増やし、雪どけのピークを迎える増水期には150トン程度の流量があります。5月下旬頃に雪どけが終わると、雨がない限り水量は減り続け、夏〜冬の渇水期の水量は15トン程度、増水期の約10分の1にまで減少します。
コース概要
ラフティングを始めたばかりの頃は、先輩ガイドの受け売りで、春コースは全長◯◯km、夏コースは全長◯◯kmとお客様に案内していましたが、実は、代々伝わるこの◯◯の数値が、ツアー会社によって異なります。この曖昧な部分を明らかにすべく、ニセコウッカでは、数年前、GPSを使用して実際の距離を計測しました。下記のコース概要に記載されている数値は、その際に計測された数値を参考にしたものです。
尻別川春コース(ニセコエリア)
尻別川春コースは、目安として4月下旬~5月下旬(積雪量や気温により前後します。)の雪どけ増水時限定コースです。全長は約10km*、平均難易度は3*、コース取りを間違うと転覆する可能性もあります。増水のピーク時には2mクラスの大波が連続する尻別川春コース。コース中盤のウォータースライダー or ダム越えも大きな絶叫ポイントの一つ。春コースラフティングのご予約はニセコウッカ蘭越支店~ウカブラ~まで。
尻別川夏コース(倶知安エリア)
尻別川夏コースは、雪どけが終わり、川の水位が落ち着いた平水期に下るコースです。全長は約7km*、対象は小学生以上、平均難易度は2*、いくつかの急流と穏やかな深み(とろ場)から成るコースです。気温・水温の上昇に伴い、急流下りだけでなく、とろ場での水遊びも楽しみの一つとなる夏コースラフティング。クライマックスは高さ約2~3mからの高飛び込み。小さな子が勇気を振り絞り、時に涙を浮かべながら挑戦する姿に、思わず顔がほころびます。大人にとってはおまけの遊びの一つでも、子供にとっては大きな度胸試し。クタクタ・ヘトヘトになるまで泳いで遊べるコースです。

尻別川ファミリーコース
ニセコウッカでは、小学生から大人と同じ夏コースラフティングに参加可能ですが、ツアー会社によっては、ほとんど波の立たない難易度1*程度の極めて安全なセクションを、未就学児から参加できるファミリーコースとして設定している場合もあります。未就学児から参加できるラフティングのご予約はニセコウッカ蘭越支店~ウカブラ~まで。
清流コース(喜茂別エリア)
一般的なラフティングコースではありませんが、ニセコウッカでは、春の増水期、独自の清流コースにて、主にダッキーやパックラフトのツアーを催行しています。全長約8km、増水期でも平均難易度は2*程度、夏コースや春コースよりも水質良好で、晴れた日には、尻別岳と羊蹄山が並ぶ双子羊蹄を拝むことができます。

*全長に関する記述は会社間で多少の差異がありますが、各社とも全く同じコースを使用しています。
*日本でラフティングツアーが催行されている河川の最高難易度は4です。難易度についてはラフティング運行河川の難易度(グレード)にて、詳しく解説しています。